ある日の夜のこと。

仕事を終え、家で家族と食事をしていたら、突然の電話が鳴り響く・・・

こんな時間に誰だろう?

携帯電話には、お客様の名前が・・・

電話に出ると・・・

一瞬にして、ほろ酔い気分が吹っ飛んでしまいました。

その電話の内容とは・・・

※現在は、無事に解決している事件であり、お客様の許可をもらって記載しております。

内容を伺うと、

商標権侵害警告状が届いた!

とのことです。

 

 

携帯電話の向こうから

 賠償金としていくら払わないといけないのですか!?

 これから、ウチの店舗は営業できなくなるのですか!?

お客様の心配事が矢継ぎ早に・・・

 

 

酔いが一気に吹っ飛びました。

 

 

回答期限を確認した上で、

警告状を弊所に送付していただくようお願いしました

 

 

 

商標権侵害

 

商標権侵害とは、

  他人の登録商標と同一または類似の商標を

  指定役務(または指定役務)と同一または類似の商品等について

  使用する

行為です。

商標権侵害のリスク

お客様が開店した当初、その店舗名(例えば、笑笑、すかいらーく等)の商標権は誰にもとられていません。

つまり、「店舗名の商標権を取っていない状態」

この「店舗名の商標権を取っていない状態」とは、「誰もが自由に店舗名を使える状態」であるとともに、「誰かに店舗名の商標権を取られてしまう状態」ともいえます。

これが典型的な商標権侵害のリスクです。

 

「店舗名の商標権を取っていない状態」において、店舗名の商標権を第三者が取得してしまうと、お客様がその店舗名を商標として使用する行為(看板に表示する行為など)は、商標権侵害に該当し、当該行為が禁止されます。

つまり、

店舗名の商標権を第三者が取得 = その店舗名を看板等に表示する行為が禁止される

となってしまいます。

ここは、お客様がその店舗名を先に使用していたからといって当然に認められません。

実際には商標権者から何を要求される?(リスクの大きさ)

商標権侵害における商標権者の要求内容としては、

 差し止め(名称使用の禁止)

 損害賠償金の支払い

があります。

実際は、商標権者の要望に沿ったものとなるため、差し止め(名称使用の禁止)だけだったり、差し止め(名称使用の禁止)損害賠償金の支払いの両方だったりします。

さらにその後の対応として、

 店舗名の変更

 商標権の買い取り

などを行う必要があります。

商標権侵害の対応費用は、損害賠償金の支払い・名称変更含め、数10万円~50万円程度(概算)といわれております。しかし、お客様の規模が大きければ、100万円を超える場合もあります。

さらに、店舗名を変更する場合には、新しい店名にするまでは営業ができませんので、家賃を払いつつも無収入の状態が続いてしまいます。さらに、今までのお客様も離れてしまうため、新しい店名にしても、お店が立ち上がるまでには相応の時間がかかります。

以上の被害を換算すると、商標権侵害をしてしまった場合の被害額は、計り知れません。

 

ウチには関係ないかな?

現在は、インターネットでの検索が容易ですから、お客様のホームページ経由で、登録商標の使用がすぐに見つかってしまいます。

弊所では、この2年間で、商標権侵害(警告状)の問い合わせが8件ありました。

いずれもHPでの検索結果をみて警告状を送付されたようです。

 

 

では、どうすれば?

まずは、現在ご使用の店舗名が他人の登録商標となっているか否かを調べる必要があります。

  •  商標権者から気づかれる前に・・・
  •  第三者が先に商標権を取る前に・・・
  •  関係がこじれた人が先に商標権を取る前に・・・

お客様の店舗がこれからも継続できるためにも、商標調査をお早めに検討することをお勧めします。

 

事務所が遠いかな?

昨年の例では、遠方のお客様より、「取り急ぎ、商標調査だけお願いします」と、電話で対応した場合もございます。

 

 

何かのご参考になれば幸いです。

 

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かめやま特許商標事務所

弁理士 亀山 夏樹