とある日の商標相談。
起業予定の方なのですが、
商標権の売却について教えて欲しい
とのことでしたので少しアドバイスしました。
商標相談でよくある勘違いの1つとして、
商標権を取ったのだから、商標権を売却できる
というものです。
もちろん、法律上は間違いないのですが、実際は、それほど簡単なものではなく・・・
売却できる商標権ってどんなもの?
ということですが、買う側から見れば一目瞭然で、「買う側にとって経済的メリットがある商標権」となります。
つまり、「商標権が事業と密接な権利であれば売却しやすい」といういうことになります。
ここで、事業について考えてみましょう。
事業とはどのようなものでしょうか?
事業は、ヒトモノカネが循環し、そこに利益が生まれなければ、その継続性が得られません。
一方の商標権は、事業の水門や関所みたいなものです。
つまり、
商標権(水門や関所)だけで売ろうとしても、そこに事業(流れ)が無ければ、商標権も価値が生まれないよね
ということです。
つまり、事業(流れ)が主であって、流れに応じた水門や関所(商標権)は、従なのです。
なので、
商標権の売却
を考えるなら、まずは、
事業の売却
になるでしょうし、そのためには
売却できる事業は何か?
を考えたほうがよいと思います。
そして、これを言い換えれば
買いたいと思う事業は何か?
を考えたほうが良いと思います。
さて、事業における商標権の価値とはどのようなものでしょうか?
商標は、製品やサービスの提供者と、その使用者(お客様)とをつなぐコミュニケーションツールみたいなものなので、
たくさんのお客様が認識していること
良い信用が蓄積されていること
良いイメージ(ブランド)が維持されるコト
が重要になります。
※ちなみに、特許の場合は、事業(製品やサービス)の優位性を生み出す技術、となります。