現在、いくつかの新製品開発プロジェクトに参加しています。
プロジェクトの落とし穴について、述べたいと思います。
先日の打ち合わせ。
あるところで、議論が前に進まなくなる。
新製品プロジェクトにおける「あるある」な障壁としては
・試作は誰が作るの?
・試作製造の資金は誰が出すの?
・ニーズがあるの?
・量産は誰がおこなう?
・販売は誰がおこなう?
・事業の利益と責任は誰がとる?
・自社の強みとなる知的財産(特許、意匠、契約等)は、どこ?
・そして知的財産権をどのように抑える? 等
なのですが・・・
今回も例外なく・・・煮詰まった予感。
(このチームの成功要因は何か?そして、何が障壁になっているんだろうか?)
現状を表にまとめる・・・
すると、問題が浮き上がり、その解決のアイデアが浮かぶ。
そこで、一つのアイデアを提案。
提案1 実現性のために別のメンバーの追加
提案2 メンバー追加の副作用として、知的財産の処理方法
すると、他のメンバーも納得されたよう。
このおかげで会議が進む進む。
その後30分くらいで大枠の工程表ができる。
1 試作製造
2 機能確認
3 ニーズ確認
4 商品仕様検討
5 ロードマップ検討
6 事業戦略検討
7 知的財産戦略検討・・・
最初の膠着状態(60分)がウソのよう。
新製品開発プロジェクトにおける障壁。
この原因がメンバーのリソース不足の場合、
メンバーの追加で解決する場合も多く・・・
しかし、メンバーの追加による副作用もあって。
この副作用をどう処理するか?がポイントになります。
メンバー追加の副作用として、
・利益の分配はかわる。
・メンバー間の力関係も変わる。
・途中に抜けられるという心配事も増える。
等々が考えられます。
この心配事は、
メンバー(会社)選びと契約でクリアーできることも多いですし、
契約も、特許権などの知的財産を根拠とするものも多く。
特許権などの知的財産を根拠にする契約を結ぶ場合には、
新メンバーが参加する前に、
基本的なアイデアを権利化しておきましょう!
となることも多く。
そのプロジェクトに参加したい!!と思う人に対し、
プロジェクトの参加と引き換えに、
プロジェクトの義務を飲んでもらいましょう
義務履行を前提に、みんなで利益をシェアしましょう
このような形にまとめていくことも弁理士の仕事です。
まとめ
1 新製品開発プロジェクトの落とし穴
・試作は誰が作るの?
・試作製造の資金は誰が出すの?
・ニーズがあるの?
・量産は誰がおこなう?
・販売は誰がおこなう?
・事業の利益と責任は誰がとる?
・自社の強みとなる知的財産(特許、意匠、契約等)は、どこ?
・そして知的財産権をどのように抑える? 等
2 膠着状態のとき
・原因が何かを突き止める
・リソース不足(ヒト・モノ・カネ・情報等)の場合、
メンバー追加も一つの手段
3 メンバー追加したいとき
追加のデメリットを考える。
検討ポイント
・信用できるか
・利益配分
・パワーバランスの変化
・継続性 等
4 デメリットの処理方法
相手選びと、契約の内容でクリアーできる場合が多い。
5 契約の根拠
特許権や商標権を根拠とする場合も多い。
権利取得のための出願は、メンバー追加の前に!
(順番を逆にすると、利益配分・パワーバランスがくずれるおそれ)
何かのご参考になれば幸いです。
かめやま特許商標事務所
弁理士 亀山 夏樹