まず考えるべきなのは、「特許を取るか」ではなく「その事業で利益が出るか」です
先日、ある経営者の方から特許のご相談をいただきました。
新商品を企画しているので、特許を取りたい
非常によくあるご相談です。
そして、このご相談の際によく出てくるのが、次のご質問です。
特許にはそれなりに費用がかかると聞きました。
本当に費用に見合うのでしょうか。
経営者として、これは当然の疑問だと思います。
むしろ、費用対効果を意識されるのは健全な判断です。

ただ、ここで大切なのは、特許の費用対効果だけを切り離して考えないことです。
私はその方に、次のようなことをお聞きしました。
- この新商品の市場規模をどれくらいと見ているか
- どのようなお客様が買ってくれそうか
- どれくらいの利益を見込んでいるか
- 年間どれくらいの売上を想定しているか
ところが、そこはまだ十分に整理されていませんでした。
しかし、本来「費用対効果」というのは、特許だけに当てはまる話ではありません。
- 広告宣伝費
- 人件費
- 販促費
- 外注費
- 設備投資
- 店舗や事務所の固定費
これらはすべて、将来の売上・利益を得るための投資です。
特許費用も、その一つにすぎません。
だからこそ、特許を取るべきかどうかは、
その商品がどれくらい売れる見込みがあるのか
その事業がどれくらい利益を生む可能性があるのか
とセットで判断する必要があります。

特許は「取れば安心」ではありません
経営の現場では、ときどき
「まずは特許を取っておけば安心」
と考えられることがあります。
もちろん、特許が重要な場面は確かにあります。
ただし、特許は取っただけで利益を生むものではありません。
実際に利益を生むのは、商品が売れることであり、
特許はその利益を守るための手段です。
言い換えれば、
守るべき事業があるからこそ、特許が活きる
のです。
事業の見通しが曖昧なまま、
特許だけ先に検討してしまうと、
投資全体の判断がぶれてしまうことがあります。
リスクを抑えながら前に進む方法もあります
ビジネスにリスクはつきものです。
しかし、リスクを恐れて何もしなければ、機会もつかめません。

大切なのは、リスクをできるだけ抑えながら前に進むことです。
そこで今回のご相談では、
いきなり本番の商品を大きく展開するのではなく、まずは次の点を確認することをご提案しました。
- 量産体制を安定して組めるか
- 流通体制に無理がないか
- 売り方に改善の余地はないか
- 市場にどの程度の反応があるか
そのために、
まずは特許性のないダミー商品で、半年から1年ほどテスト販売を行い、市場の反応を確認してみてはどうか
という進め方です。
こうしたステップを踏むことで、
- 本当に需要があるのか
- 誰に、どのように売るべきか
- 価格設定は適切か
- 継続的に利益が見込めるか
を現実的に把握しやすくなります。
そのうえで、
「これは事業として伸びる可能性が高い」
「ここは競合に真似されたくない」
というポイントが見えてきた段階で、
改めてどの技術を、どのタイミングで、どのように特許で守るべきかを検討するのが有効です。

経営判断として、特許をどう位置づけるか
特許は、取ること自体が目的ではありません。
事業を伸ばし、利益を守るための経営手段の一つです。
だからこそ、特許出願を考える際には、
- この商品でどれだけの利益を目指すのか
- そのために何を守る必要があるのか
- 今、出願すべきか、少し検証を先にすべきか
という視点が重要になります。
当事務所では、
単に「出願できるかどうか」だけではなく、
その特許が事業にどう役立つのか
今の段階で出願すべきか、それとも別の打ち手を先に取るべきか
という点も含めてご相談をお受けしています。

新商品と特許でお悩みの方へ
- 新商品について特許を取るべきか迷っている
- 費用をかける価値があるのか判断したい
- 出願の前に、事業としての見通しも整理したい
- 競合に真似されないための進め方を考えたい
このようなお悩みがある場合は、早い段階でご相談いただくことで、無駄な出費や遠回りを避けやすくなります。
特許を取ることがゴールではなく、事業として成果につなげることがゴール。
その視点で、実務に即したご提案をいたします。




