千葉県鎌ケ谷市の弁理士 かめやまです。
先日、ゴルフに行ったのですが、史上最悪のスコアー。
PAR3で14・・・ぇぇ、笑えません T_T
笑えない話。
実は、ゴルフだけではなく、商標相談でもあります。
1.ある日の商標相談
お客様 :あのー。新しい店舗名を考えたのですが・・・「商標権に注意したほうが良いよ」と知り合いの社長さんからいわれたので、相談に来ました。
かめやま:どんな名前でしょうか?
お客様 :店舗名「ABC」です。
かめやま:現存する商標権について調査してみましょうか?
お客様 :お願いします。
・・・数日後
かめやま:登録商標「ABC」は1件ありました・・・「ABC○○」 も3件。「○○ABC」は5件。商標「ABC」をこのまま使用しても、多少のアレンジして、「ABC」の前後に用語を付加しても、商標権侵害となってしまいそうです。
お客様 :そ、そんなに・・・
かめやま:「ABC」って人気の言葉のようですね。
お客様 :すごく良い名前と思ったんですけどねぇ
2.良い名前のリスク
あなたが使いたい名前は、同業他社も使いたい。
良い印象の名前は、誰もが使いたい。
例えば、
絆・・・
のぞみ・・・
スマイル・・・等
良い印象の単語は、商標登録の世界でも競争は激しいです。
商標登録の世界は、先願主義。
つまり、早い者勝ち(先に出願したもの勝ち)。
これが基本ルール。
ご商売に使える名前を思いついても、
他の商標権が存続している場合には、
その商標権侵害の成立により、使用できません。
したがって、良い印象の単語においては
最初に気付き、登録できた人はラッキーなのですが・・・
2番手以降は、先行者の商標権を意識した結果、
予定していた名前を変更せざるをえません。
3.ネーミング変更のリスク
違う名前変更する場合、
新しい名前(印象の良い名前)と出あうには時間がかかります。
さらに、新しい名前の再調査が必要になります。
加えて、再調査の結果が、かならずしも「OK」となるわけでもなく・・・
そのお客様。
新店舗の開店日から逆算すると
来週には、お店の看板制作を依頼しないといけないのに・・・
この状況での名前変更・・・
冷や汗ものです。
4.商標権の世界
たかが、ネーミング。
されど、ネーミング。
商標権の世界では、
先行者だけ優遇され、2番手以降は苦労します。
ということで、新製品、新サービス、新店舗・・・等々
新しいご商売を始めようとされる方、そして、笑顔でご商売を行いたい方。
他社の商標権(その名前が使用できるか否か)
自社の商標権(その名前の使用が独占できるか否か)
についてお早目にご検討することをお勧めします。
5.まとめ
1 印象の良い名前は、みんなが使いたい名前
2 印象の良い名前は、誰かが商標権を取得している場合が多い。
3 印象の良い名前をご商売で使用したい場合には、可及的速やかに商標調査を済ませる
4 ご商売開始後の名前変更には、時間的・コスト的なリスクがある。
5 名前変更のリスクを抑えるためには、可及的速やかに商標登録を済ませる必要がある。
関連記事:商標登録が不要な場合とは?
何かの参考になれば幸いです。
かめやま特許商標事務所
弁理士 亀山 夏樹