わが社のオリジナル商品(サービス)について
商標登録を済ませたい!!
でも、できるだけコストは抑えたい。
とはいえど、「安かろう悪かろう」では困る・・・
こんな声をお客様からよく伺います。
肝は、コストパフォーマンス。
これに尽きるわけです。
ということで、
今回は、コストパフォーマンスのよい商標登録について考えてみたいと思います。
1.とある日の商標相談
1つの商標で10区分以上の商標を取りたい!
とのお客様。
「10区分以上」の背景を伺うと、
同業他社がそうしていたから
とのこと・・・
まずは、
このお客様にとってコストパフォーマンスのよい区分数。
これについて考えてみたいと思います。
2.区分数を多くするメリット
あるマーク(商標A)について広い権利を取得することで
第三者が商標Aを使用できなくなる範囲(指定商品又は役務)が広くなる。
つまり、商標Aの独占使用の範囲が広くなる。
さらに、
第三者が商標Aの権利を取得できなくなる範囲が広くなる。
つまり、商標Aについて自社の水路が確保される。
となるのですが・・・デメリットもあります。
3.区分数を多くするデメリット
出願~登録費用が増える。
登録後、継続して3年以上使用していない場合は、
取り消しの対象になる。
ということで、
何が何でも広範囲で商標登録すればよい
ということではなさそうです。
そうしますと、
区分(指定商品や指定役務)の優先順位をつけることが必要になりそうです。
優先順位の観点として、大きく分けると
水路確保(商標を自社が自由に使用できる範囲の確保)
収益力
となり、
いずれも、ビジネスモデルからの検討が必要になります。
4.冒頭のお客様の優先順位は?
水路確保の点からみると、10個の区分のうち、
区分A、B、Cが重要そうでした。
そして、収益力の点からみると、
区分A、C、Dが重要そうでした。
そうすると、必要そうなものは、
最初が、区分A・C(第1Gr)。
その次が、区分B・D(第2Gr)。
最後が残りの区分(第3Gr)。
となりそうです。
5.優先順位の次は?
次に検討することは<時間軸>。
現在必要
近い将来必要
近い将来必要になるかも
このような形で分類してみると良いと思います。
冒頭の例では、
現在必要 :区分A・C(第1Gr)
近い将来必要 :区分B・D(第2Gr)
近い将来必要になるかも:残りの区分(第3Gr)
となりそうです。
あとは、出願のタイミングとして、
最初の出願として、
第1Grだけて行うのか?
第2Grまで含めるか?
ここは事業計画よって変わる部分です。
6.コスパのよい商標登録のためには何が必要?
いずれにしても、
商標登録のコストパフォーマンスを検討する場合には、
ビジネスモデルや事業計画を念頭に置きながら
出願計画を立てておきたいところです。
ということで、コスパのよい商標登録は・・・
7.まとめ:コスパの良い商標登録
1 区分数を多くするメリット
独占使用の範囲が広くなる。
自社の水路が確保される。
2 区分数を多くするデメリット
費用がかかる。
場合によっては、不使用による商標登録取消の対象にも。
3 コスパの良い区分(商品や役務)の選び方
(1)水路確保
(2)収益力
(3)時間軸
といった観点で検討する。
前の2つについては、ビジネスモデルから検討する。
最後は、事業計画から検討する。
わからなければ、専門家に相談する。
何かの参考になれば幸いです。
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かめやま特許商標事務所
弁理士 亀山 夏樹