地方分権の本格化が進む現代においては、様々な地域で、地域の特色が色濃く表れた「地域ブランド」が生み出されています。こうした中、地域団体商標制度が地域ブランドの確立に大きく貢献し、今後とも地域経済の活性化に役立てられると考えられます。では、地域団体商標とは具体的にどんなものなのでしょうか。
地域団体商標制度とは?
地域団体商標制度は、発展段階にある地域ブランドを保護することを主な目的として、平成18年4月1日より導入されました。出願の際は、地域団体商標登録願をはじめとする各種必要書類を揃え、特許庁に出願申請を行います。申請後は特許庁にて出願内容の審査が行われ、晴れて審査に通れば地域団体商標の取得が認められます。なお、地域団体商標の登録要件としては以下の通りです。
- 出願人が法人格を有し、事業協同組合等の特別な法律により設立された組合であること
- 構成員に使用させる商標であること
- 商標の周知性要件を満たしていること
- 商標が地域の名称及び商品、または役務の名称等からなること
- 地域と当該商品(役務)が密接な関連を持っていること
上記の要件を一つでも満たしていない場合、商標の登録は認められません。また、一度商標が登録されたからといって、商標権は永続しません。5年又は10年ごとに商標登録の更新を行う必要があります。この更新を忘れてしまうと商標権が消滅してしまいます。つまり、商標登録の更新の管理も重要な知財マネジメントの1つといえます。効果的な地域団体商標取得や商標の管理をお考えなら、商標の専門家である弁理士へご相談いただくことで、商標権の取得や商標権の活用が可能になります。
千葉県の代表的な地域団体商標
千葉県の代表的な地域団体商標としては以下の通りです。
- 安房菜の花(安房農業協同組合)
- 市川の梨(市川市農業協同組合)
- 勝浦タンタンメン(ONE勝浦企業組合)
- 鴨川温泉(鴨川温泉旅館業協同組合)
- 小湊温泉(小湊旅館業協同組合)
- しろいの梨(西印旛農業協同組合)
- 銚子つりきんめ(銚子漁業協同組合)
- 富里スイカ(富里農業協同組合)
- 船橋にんじん(市川市農業協同組合)
- 船橋のなし(市川市農業協同組合)
- 房州びわ(安房農業協同組合)
- 矢切ねぎ(とうかつ中央農業協同組合)
- 八街産落花生(八街落花生商工協同組合)
いずれの場合も、船橋市、市川市や白井市など地域の名称を冠していることが確認できます。こうした地域団体商標は、千葉県内だけでなく全国的に注目されることが多いため、まさに地域活性化には有効な手段といえます。