特許法等の一部を改正する法律(平成26年5月14日法律第36号)により、商標法の一部が改正されました。これにより、色彩のみからなる商標やホログラム、音などが商標として登録可能となりました。
これは「新しいタイプの商標」と呼ばれているのですが、新しいタイプの商標には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。
ホログラム商標
ホログラム技術の向上により、バーチャルリアリティやプロジェクションマッピングが話題になりつつありますが、今後、ホログラムが商標として認められることとなりました。
商標としてのホログラムとは、見る角度によって視認される態様が変化して見える商標のことを指します。具体的な例として、偽造防止のためお札に入っているホログラムが、これに該当します。
音商標
音商標は、企業がCMなどで使用しているメロディや、自社名・商品名を読み上げるメロディなどが該当します。今では、目に見える商標だけでなく、こうした音声・効果音も「企業を象徴する顔」として認められています。CMでお馴染みのメロディの中には、すでに音商標として海外で登録されているものがあります。
色彩のみからなる商標
従来は、文字や図形等のマークに色彩が結合するものを商標と呼んでいましたが、現在では単色・複色の色彩のみからなる商標も認められています。
色彩のみからなる商標(欧州共同体商標)の具体例としては、黒・白・青の三色で配色された「MONO」の消しゴムパッケージが挙げられます。
動き商標
動き商標は、文字や図形等が、時間の経過に伴って変化する商標のことを指します。具体的には、テレビやコンピューター等に映し出され変化する文字や図形等が、これに該当します。
なお、アメリカでは「ランボルギーニのドアの開閉時の動き」が動き商標として登録されています。
位置商標
位置商標は、文字や図形等の標章を商品等に付す位置が特定される商標のことを指します。例えば、IBM社のキーボードは、キーボード中央に位置する赤いボタンが印象的ですが、これが位置商標としてアメリカで登録されています。
このように、従来まで商標として認められていなかったものが、徐々に認められつつあります。2015年より開始されたこともあり、内容・申請方法について分からないことが多いと思いますが、その際はぜひ弁理士へご相談ください。