特許出願業務

- Patent application -

「取得した特許がお客様の事業においてどのような貢献をするか?」についてアドバイスします。

特許出願業務

特許出願は、お客様のアイデアや発明について特許権を取得するために、特許庁に提出する手続きです。

特許の保護対象は、物の構造や形状の発明に加え、材料の発明、ソフトウェアの発明、ビジネスモデルの発明、方法発明です。物の構造や形状の発明を保護する実用新案権に比べて、保護範囲は広いです。

かめやま特許商標事務所のサポート内容

弊所では、「お客様のアイデアや発明が特許を取得できるか否か」のみならず、「取得した特許がお客様の事業においてどのような貢献をするか?」についてアドバイスします。

補足
事業に貢献できる特許とは?
  1. 自社の現在の事業において必須の技術、コスト・製造品質に見合うために必須の技術について、代替手段を含め、参入障壁を構築しているもの。

  2. 自社の将来の事業においてコア部分になりそうな技術を保護できるもの。

  3. 他社が利用したい技術を保護するもの。

具体的には、以下のようなポイントでヒアリングを行い、事業に貢献する特許出願(申請)の提案をします。

また、特許取得が難しい場合には、意匠登録出願実用新案登録出願についても検討します。

特許出願(申請)の流れ

01.先行技術調査(約3~4週間)

「お客様のアイデアについて特許が取れるか否か?」について調べます。また、「特許が取れそう」と判断した場合には、「どの範囲まで取れそうか?」について分析します。反対に、「特許が難しそう」と判断した場合には、「どのようにしたら特許が取れそうか?」について分析します。

02.特許出願(約3~4週間)

特許が取れそうな範囲として、お客様の事業に貢献できるような内容にするとともに、特許庁の審査に耐えられるような説明や、他の従来技術を引用されたときに拒絶を回避するための切り札となる説明を記載しておきます。

03.出願審査請求(約2~3営業日)

特許庁に対し審査料を支払います。出願日から3年以内に行うことが可能ですので、出願と同時に行う方もいれば、出願日から3年ギリギリに行う方もおります。

04.審査対応(約4~8週間)

出願審査請求をしてから約1年後(※1)に特許庁の審査結果が届きます。

審査結果が拒絶理由通知の場合、その内容について分析を行い、お客様が希望する発明について特許を取るための手段を検討します。具体的には、以下の①~③のような対応することが多いです。

① 審査官の認定について反論する。
② 他社の技術との違いを審査官に丁寧に説明する。
③ 他社の技術との違いがでるように発明の表現を見直す。

※1:特許庁の審査結果を早く欲しい場合には、早期審査をお勧めします。早期審査により、出願審査請求から2~3ヶ月以内に特許庁の審査結果を入手することが可能です。

05.特許料納付(約2~3営業日)

審査に合格すると特許査定が届きます。特許料を納付することによりお客様の発明に特許権が発生します。

特許出願(申請)の費用

金額は、内容・ボリュームによって変動しますが、目安としては以下の通りです(いずれも税別)。なお、具体的な金額は、内容を伺った後にお見積書を作成しますので、お見積書をご覧いただいた上で、ご依頼するか否かをご判断いただいて構いません。

先行技術調査:5~10万円

先行技術調査にかかる費用です。

特許出願:25~35万円(印紙代含む)

特許出願にかかる費用です。

出願審査請求:15~20万円(印紙代含む)

審査請求にかかる費用です。
※一定の中小企業等には、費用の軽減が適用される場合があります。詳しくは、弊所までお問い合わせください。

審査請求のタイミングは出願日から3年以内となっています。この範囲であれば、お客様の御都合に合わせてタイミングを調整することができます。

審査対応:12~15万円

拒絶理由通知に対応する際に、かかる費用です。
諦める場合(放置する場合)には、この費用はかかりません。

補足
拒絶理由通知とは?

特許庁の審査では、審査官が拒絶理由を発見したとき、拒絶理由通知書にて、その内容を通知します。
拒絶理由通知の判断が絶対ではなく、特許(又は登録)への可能性がある場合が多いので、この「拒絶理由通知」を受けた段階でガッカリしないでください。
具体的な対応については、ケースバイケースですので、専門家と相談することをお勧めします。

特許査定:10~20万円(1~3年目の印紙代含む)

特許査定時にかかる費用です。
この費用に含まれる「特許料」の納付によって特許権が発生します。

海外へ事業を展開する場合は、その国ごとに特許権の取得を検討する必要があります。どの国で特許権を取るかについては、事業内容にもよりますが、商材の生産国や販売国の観点から検討する場合が多いです。具体的には、個別の相談となりますので、海外進出を考えられている方は、弊所までご相談ください。

また、日本で出願した内容について外国出願を行う場合には、一定期間内に、外国の出願を済ませる必要がある点にご留意ください。

特許・実用新案登録の場合:日本の出願日から1年以内

出願国の例

アメリカ、カナダ、メキシコ、ブラジル
中国、韓国、台湾、ベトナム、インドネシア、ネパール、インド
欧州、ドイツ、オーストラリア 他

出願の種類

パリルート出願:特許の国際出願です。
PCT国際出願:特許の国際出願です。

特許申請に関するQ&A

特許権の出願の主なメリットは、以下のとおりです。
(1) 特許権の取得の足掛かりを作っておく。
(2) 自社技術の使用の機会を確保する

<解説>

(1)について

特許権を取らないまま、製品を販売してしまうと、ライバル他社は、その新製品を購入し、分解することによって、コピー品の製造(つまり、模倣ですね)をすることができます。このような模倣行為を認めてしまうと、新製品の独自性が失われ、新製品を生み出すために投下した資金を回収する機会が減少してしまいます。

このように、模倣行為を牽制し、投下資金を回収する機会をより長く確保するために、特許権を利用します。

なお、特許庁に係属している特許出願は、他社から見れば、「この技術について、これから特許権を取りにいくことができますよ!」と映るため、権利化前であっても一定の牽制効が期待できます。

(2)について

ある技術について特許を取れる見込みが低いために特許出願を見送った場合、ライバル他社が同じ技術について特許を取得してしまうと、自社が自由にその技術を使用できなくなる場合があります。

このような状態を避けるために、特許を取れる見込みが低い場合であっても、その技術について、できるだけ早く特許出願を済ませておくことが良い場合もあります。このような出願を、防衛出願と呼びます。この防衛出願をライバル他社よりも先にすることによって、ライバル他社はその技術について特許権をとることができなくなります。

このように、防衛出願によって、特許権を取得できなくとも、自社による技術の使用の機会を確保することができます。

<解説>

特許権を取得するためには、主として、(1)新規性を有しているか否か(2)進歩性を有しているか否か、が問題になります。

(1)の新規性については、従来技術に対して構成の違いが少しでもあれば「新規性を有している」と認定されるため、比較的容易に解決できます。

(2)の進歩性については、(1)の新規性の場合に比べハードルが高くなります。進歩性の有無については、平易な言葉で言えば、「構成の組み合わせ」の有用性・意外性の観点で審査されます。

このように、審査において、ハイテク・ローテクといった技術レベルの観点からは判断されません。

良い特許としては、例えば以下があげられます。
(1)自社の現在の事業において必須の技術、コスト・製造品質に見合うために必須の技術について、代替手段を含め、参入障壁を構築しているもの。
(2)自社の将来の事業においてコア部分になりそうな技術を保護できるもの。
(3)他社が利用したい技術を保護するもの。

(1)(2)については、通常、自社において保有しておくものです。一方、(3)については、ライセンスや交渉の道具として用いられる場合もあります。
また、権利の形としては、「侵害特定が容易なもの」という点も大切な要素です。

主なメリットとしては、以下があります。
(1)事業に活用できる特許戦略が立てられる。
(2)特許権を取得しやすくなる。
(3)新たな事業展開の足掛かりを発見することがある。

解説

(1)について
事業のアイデアといっても、その全てを特許で抑えることはなかなか難しいです。また、あるアイデアについて特許が取れたとしても、事業に活用できる特許となっているかどうかは、事業内容と特許権の範囲の次第です。
したがいまして、事業に活用できる特許を取るためには、アイデアだけでなく、事業内容やその課題等を考慮した上で、出願内容を練り上げる作業(つまり、事業のための特許戦略づくりですね)がどうしても必要になります。

(2)について
審査において、権利を取るためには、「新規性・進歩性の両方が有る」といった主張が必要になりますが、この主張を認めてもらうためには、主張の根拠となる材料を、出願書類に予め記載しておく必要があります。特許権を取得しやすくするためには、将来の審査に向けたストーリー作りが重要になってきますので、出願前の段階から、経験の豊富な専門家に相談することをお勧めします。

(3)について
事業活動の中で生まれた発明は、現在の事業における課題を解決するためのものであることが多いため、発明者も、その発明を現在の事業に関わる視点から捉えがちです。一方、経験豊富な専門家であれば、現在の事業にとらわれずに、その発明の本質をつかむための深堀り作業を行います。この深堀り作業の結果、以下のようなケースが、経験上よくあります。
(あ)当初、1つの発明と思われたものに、複数の発明が存在していたこと。
(い)当初、現在の事業の専用部品と捉えていた発明が、別の事業にも利用できること。(例:熱交換用の部品として考えていた発明が、温度センサにも利用できそう!)
このように当初、現在の事業の課題を解決するためだった発明が、新しい事業への足がかりにもなる、つまり「一粒で二度おいしい」ケースですよね。

「できるだけ早く」が望ましいです。

【解説】
特許権、実用新案権、意匠権による保護を受けたい場合、アイデアが一旦外に漏れる(公知になる)と、そのアイデアの新規性が喪失し、保護を受けることができなくなります。
したがいまして、新しいアイデアに関する相談タイミングとしては、販売や発表等、外部へ公表する前に、つまり、「できるだけ早く」をお勧めします。

また、特許等の出願書類に関して、審査の途中で、書類に新しい内容を追加することができません。さらに、特許出願等の書類に営業秘密が含まれている場合には、出願公開や特許公報発行によって強制的に公開されるため、事業にとって不利益になる場合があります。
したがいまして、出願に関する相談タイミングとしては、「外部への公表の前から」をお勧めします

手ぶらでも構いません。

きれいな資料がすでに出来上がっていれば、そのまま持参してくださって結構です。しかし、相談のために、わざわざ資料を清書するのでは、その時間がもったいないです。ポンチ絵も構いませんし、口頭で済む内容であれば手ぶらでも構いません。

なお、相談時に、発明の背景(事業内容、業界の特徴等)をお話いただけると、こちらも、よりよい提案ができると思いますので、些細なことだと遠慮せずに、お話ください。