1.前回の記事の続き
前回の記事(「ネーミングの前に知ってほしい」商標のこと)では、
- 商標のはたらきは心を刺激するもの
- 商標の種類には、文字、図形、立体的形状等・・・たくさんの種類があること
- 商標の中で一番強いものは、文字である
と書きました。
今回は、文字商標が強い理由について述べたいと思います。
2.文字商標が強い理由
「文字商標が強い」理由を述べる前に問題です。
この写真をみて、何をイメージするでしょうか?
花?
木?
いやいや草じゃない?
いろいろでてきますね?
正解はローズマリー(ハーブの種類)です。
みなさんは、この写真からローズマリーが伝わったでしょうか?
写真の場合、たくさんの情報が入っているため、自分が伝えたいことを相手に伝えることができない場合があります。
また、伝えたくても相手がそれを知らなければ理解できないこともあります。
このように、膨大な情報が入っていると相手の心を刺激することは難しいですね。
では、写真に替えて・・・
次の文字をみて、何をイメージするでしょうか?
ローズマリー
これを見た人は、「ローズマリー」の意味が確実に伝わり、その意味を理解することができます。
万が一、相手が「ローズマリー」を知らない場合であっても、辞書を引くなり、インターネット検索で調べれば、その意味を理解できます。
つまり、最終的には、伝えたいことが確実に伝わります。
このように、文字「ローズマリー」に触れた人は、自力又は辞書の力を通して、確実に「ローズマリー」の意味を理解することができます。
これが文字の強さです。
3.文字商標が果たす役割
前回の記事(「ネーミングの前に知ってほしい」商標のこと)では、「商標のはたらきは、相手の心を刺激するもの」とお話ししました。
つまり、文字を商標として利用することで、商標に触れたお客様に対し、その意味を伝えることができます。そのため、文字(言葉)の意味の理解を通して、お客様の心を刺激することができます。
さらに、文字(言葉)の意味の理解を通して、お客様に記憶してもらえることができます。さらにさらに、お客様が記憶しているので、自社を探してもらえることができます。特に、文字においては、インターネット検索との相性がとても良いですよね。
このため、文字を上手に使った商標は、「お客様の心が動きやすい商標」「お客様が覚えやすい商標」「(お客様が)探しやすい商標」になりやすいのです。これが、文字商標の力です。
実際には、文字に装飾や図形を付加して、「より心が動きやすい商標」や「より覚えやすい商標」を制作することも多いです。
4.文字商標が強い理由(まとめ)
文字を商標として利用することで、以下のメリットがあります。
- 商標に触れたお客様に対し、その意味を伝えることができる。
- 1.により、その意味の理解を通して、お客様の心を刺激することができる。
- 1.により、意味の理解を通して、お客様に記憶してもらえることができる。
- 3.により、お客様が記憶しているので、お客様は自分を探すことができる。
- 文字は、インターネット検索との相性がとても良い。
- 文字を上手に商標として使用することにより、「(お客様の)心が動きやすい商標」「(お客様が)覚えやすい商標」「(お客様が)探しやすい商標」になる。
今回は、「文字商標の力」についてお話ししましたが、いかがだったでしょうか?
次回は、売上に貢献するネーミング・商品名です。「心が動きやすい商標」「覚えやすい商標」「(相手が)探しやすい商標」について深堀りしていきたいと思います。
<次回予告>
- 第3回 売上に貢献するネーミング・商品名
- 第4回 ビジネスにおける残念な商品名・ネーミング
- 第5回 「売上に貢献するネーミング・商品名(商標)」に潜む危険な罠
- 第6回 「売上に貢献するネーミング・商品名(商標)」を守る方法
- 第7回 ネーミングを決める際に気を付けたいこと
- 第8回 商標活用の事例紹介